新聞連載「木の住まい塾」「木が割れ、強度がなくなる?」。そのことで裁判がありました。
多くの方は「見た目が悪く、強度がなくなる」と思っていませんか。

木材は周囲が乾燥したり、湿気たりすると水を吸ったり吐き出したりします。
つまり製材された木材には調湿作用があるということです。

さて、今は昔と追って温度調節をクーラーなどに頼るために異常に乾燥します。
そのためもあって木材に割れが早く進み、クレームとなることがあります。
そのことを少しでも減らすために、乾燥技術がいろいろ開発されていますが、「これだ」という決定打はないのが現状です。

この欠点を補うために自然そのままの木材(ムクの木材)を避け、合板などの木材製品が多く使われるようになりました。
そして張り合わせるために使用される接着剤が原因で起こる弊害がシックハウス症候群です。
割れなどがない見た目の良さや、安さを求めた代償として住む人が病気となるなど取り返しのつかないことが起こりました。

ムクの木をたくさん使って建てた家では、建築から二年間ほどの静かな夜などに「パチッ」というはじけるような音がすることがあります。聞いたことのある人もいるでしょう。
これは木が割れている音ですが、何ら心配はありません。
合板を多く使った家では、この音はしません。ある意味で安全の証拠となる音です。

静岡県林業技術センター発行の資料にはこんな一文があります。
「木造住宅に使われる木材は、狂いや腐れを防ぐために乾燥しなければなりません。しかし、乾燥した木材には割れが発生します」。
そこで割れが安全か強度試験を実施して確認したところ、割れがある柱や梁(はり)でも強度は大丈夫(問題なし)とのお墨付きを得たとのことです。

適正な湿度(40-60%)はインフルエンザなどに対して予防効果があるといわれています。(詳細は第2回をご覧ください。)
ちなみに10.5センチ角で3メートルの柱は、ビール瓶2本半分の水を吸ったり吐いたりしているとのデータもあります。
木は生きているのです。
いま一度、木のことについて知っていただきたいと思います。
冒頭の裁判の件は、もちろん大丈夫という結論(判決)でした。