新聞連載「木の住まい塾」檜(ひのき)と言えば、総檜造りの伊勢神宮を思い浮かべる人も多いでしょう。檜は昔から日本の木の文化を支えてきました。

日本書紀の中に杉と楠(くすのき)は船に、檜は宮殿(住まい)に使いなさいと書いてあります。このようなこともあって聖徳太子が父の用明天皇のために法隆寺を建てましたが、これも檜造りです。

最近、伊豆の国市韮山多田の慈光院(松永真侃住職)の本堂が江川邸所有の山檜が多用され、軒先の曲線が美しい慈光院本堂(伊豆の国市韮山多田)林から切り出された檜を使い、地元の大工によって建築されました。広さを基準に柱の太さ、ほかの材料の寸法も決まる木割りと呼ばれる伝統技法が使われました。特に軒先は芸術的な曲線を描き素晴らしいです。

檜は伐採後300年で3割ほど強度が増すと棟梁(とうりょう)西岡常一氏の「法隆寺を支えた木の本」の中に書かれ、1930年には旧ソ連のトーキン博士が癒やし効果があることを発見し、鎮静作用や疲労回復に役立つとも言われています。このようなこともあって住宅メーカーがオール檜の家とか言って売り出しています。

しかし、無垢(むく)の檜も欠点がないわけではなく、クーラーや床暖房が取り付けられた部屋は乾燥し、狂いが生じやすくなることもあります。クレームになることがあるため無垢の木材を避け、張り合わせの柱やフローリングが使われことも多いようで現状は悲しいものがあります。

また国の基準でホルマリン使用の接着剤は低く抑えられたとは言え、ゼロではないのです。接着剤が少なくなることは接着力の低下やヒラタキクイムシなどの被害に遭うことが心配され、近い将来、気が付いたとしても責任はどこに求めれば良いのでしょうか。知って使っていた大工さん、木材業者、ハウスメーカー?。まったく困ったことです。

このような現実は起こりうることです。避けるためにはどうしたらよいのでしょうか。「木の住まい塾」で一緒に考えてみませんか。