新聞連載「木の住まい塾」前回は「木は黙って人間に貢献している」との話でした。今回は「住宅など木材利用のための森林伐採は、環境破壊につながっていない」との話をし たいと思います。

日本人の住まいに対する考え方は、総理府(現在の内閣府)のアンケート調査によると「木造住宅に住みたい」と思っている人が全体の80%と圧倒的多数を占 めています。その理由のひとつは、日本は山国で国土の約3分の2が森林で無意識に木と親しんでいるためではないでしょうか。皆さんも木のぬくもり、木の香 りなど木の良さを肌で感じ「木っていいな~」と思ったことがありませんか?。

「木の住まい塾」では、本当の木の良さを知っていただくために静岡大学農学部のマウス実験のデータなどをビデオを通して理解していただいていま す。

さて皆さんは木造住宅を建てる時、木材を山から伐採して使用することは地球環境に悪い影響を与えているのではないか-と考えたことはありません か。以前、木材利用に関する誤った情報がテレビで放映されていました。それは森林伐採業者がアマゾン川流域の熱帯林で巨木を伐採する映像で、あたかも木を 伐採すること自体が悪いことのように取り上げられていました。

確かに木を伐採するだけでは、その通りかもしれません。伐採と同時に植林することが大事です。しかし、よく調べると次のようなデータもありま す。「全世界における森林伐採の要因」(1998年)によると、全伐採量の46%は移動農業によるものです。つまり焼き畑式農業のために森林が焼失されて いるのです。続いて牧場24%、定住農業3%、その他の農業17%で、農業だけで計90%にも達しています。残りが工業4%、燃料、木材各3%です。


木材利用のための森林伐採はわずか3%にすぎないことを知っていただきたいのです。家などに木材を利用するための森林伐採は、それほど環境破壊 にはつながっていないということです。しかし何より大事なのは、切ったものは元通りにするとの考え方です。つまり山に手を入れ、植林を行うことが次世代の 人たちのためにもとても大切なことだと思います。

10年前の平成11年3月30日には伊豆市(旧天城湯ヶ島町)の西天城高原で天皇皇后両陛下をお迎えして第50回全国植樹祭が催されました。天 皇陛下がヒメシャラ、皇后陛下がヤナボウシの苗をお手植えしました。会場には第12回静岡県都市景観賞を受賞したあずまやなどがあります。このあずまやに は伊豆木材市場が提供した米松の大きな桁=けた=(元の木材は長さ12メートル、直径1メートル)が使われています。ぜひ会場に行く機会がありましたら見 学して下さい。